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徒然なるままに

Nevermind

過去に住んでいた町で事件があった。当時学生だった私、やたらと近所にパトカーやらテレビ局などが集まってきている。何があったのだろう?暫くすると友達が飛び込んできて、雑誌の記事を差し出した。其処には

On April 8, shortly before 9 a.m., Kurt Cobain's body was found in greenhouse above the garage of his Seattle home. Across his chest lay the 20-gauge shotgun with which the 27-years-old singer, guitarist and songwriter ended his life.

最初は何かの冗談かと疑った。当時そして未だに絶大な人気を誇るグランジ・バンド「Nirvana」のメンバーである男、偉大なシンガーでありライターでもあるカート・コベインが自殺したとした記事であった。

当時、彼の自宅近くで生活していた私には非常にショッキングなニュースであった。この話を聞いた時は正直に「嘘だろ…」って気持ちであった。高校生の頃からファンで、それがきっかけとなってSeattle留学する事にもなった自分であったから。そんな彼のあっけない人生の終演を近くで聞く事になるとは正直に夢にも思わなかった。

80年代後期から90年代中期までに世の中を風靡したグランジ・ミュージック。その中心的なバンドであったのがNirvanaである。彼らの音楽って非常に魅力的でした。多分多くの人はセカンド・アルバム「Nevermind」を知っているのではないでしょうか。ジャケットで裸の赤ん坊が泳いでいるヤツです。その中の「Smells Like Teen Spirit」が爆発的なヒットを飛ばし、一躍トップ・ミュージシャンに躍り出た。

高校生の頃の自分にはNirvanaは驚きの連続でした。今までとは違った音楽の種類。決して綺麗な音とは言えないのだが、ゴリゴリとしたパワー溢れる演奏、そして嗄れた、悲しい深みのある声が私の心を掴んで放さない。とにかく鮮烈でしたね。POPでもHeavy Metalでもない新しい音楽でした。そんなゴリゴリした音の中にポップのセンスもある様に私には感じました。

過去に最初で最後の音楽を生で聴いた事があります。それは彼が死ぬ年、1994年1月に行われた、シアトルで行われた最終公演。荒れ狂う会場の中、日本人の私は一番前で彼の音楽を聴くことが出来ました。今でも彼の目が表す表情を覚えています。何かに取り憑かれた様な、そして無表情で吹っ飛んでいる目。何か苦しみに満ちあふれた表情思い出します。

そんな彼らの最後のアルバムが、「In Utero」。その中の最後の曲、「All Apologies」なのですが、この曲を聴くと今でも当時にSeattle Centerで行われた追悼集会で約4,500人と歌ったのを思い出します。

彼が死んだ後に色々な憶測や記事が飛び交いました。殺人説だったり、彼が死んだ本当の理由など。正直に云えば全部憶測のものですから、何が正しい記事なのかは解りません。ただ私が思う唯一の事は、自由に音楽をやりたかったではないのでしょうか。

自由に何かをやるには責任がついてまわります。そして何時までも子供ではいられません。そんな彼が表現者としての存在を表した事が彼の不幸だったのかもしれません。もちろん、彼の音楽で癒された人間も多くいるのでしょうが、彼の臨んだ事ではないのでしょう。そんな彼だから多くの人の心を捕らえてやまなかったのではないでしょうか。そして私も魅了された一人として彼の音楽には尊敬の念をもっています。彼の音楽によって救われた一人として。

最後に一言、

NO MUSIC NO LIFE!!

by Sparky_ellensburg | 2005-05-21 18:25 | 音楽
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